道路橋点検士制度について

道路橋の点検に必要な技能・知識

社会インフラの老朽化が問題視される中、道路橋についても道路管理者による点検→診断→措置→記録といったメンテナンスサイクルを確立するための法令等が整備されました。このサイクルの起点となる点検は、その後のすべての行動の根拠となる非常に大切なプロセスと言えます。
道路橋の点検は誰でもできるわけではありません。たとえ橋の構造設計や建設に詳しい技術者であっても、それだけで点検ができません。
その理由は大きく3つ挙げられます。


まず第一に、変状(通常でない状態)を見つける技能が必要となります。そのためには新しい橋、古い橋、健全な橋、傷んだ橋など色々な橋を見て、何が変状かを学ぶ必要があります。

第二に、その変状を分類する知識が必要です。これにはルールがあります。
例えば、鉄がさびている状態を説明するのに、ある人は「ものすごくさびている」と言い、またある人は「著しい腐食が見られる」と言ったとします。これで状態が正確に伝わるでしょうか?
まずは、用語の統一が必要です。”さび”、”腐食”、この例は比較的イメージしやすい事例ですが、データベースに入力することを考えれば、混乱のもととなります。この場合、”さびている”は変状の説明で、その変状のある状態を”腐食”という損傷名(損傷の種類)で表すというルールがあれば混乱がなくなります。
また、”ものすごく”、”著しい”という主観的表現ではなく、”全体の50%程度で、断面減少が見られる”といった客観的な説明(損傷程度の評価)も必要です。

第三に、それを記録するルールを知ることが必要です。
先のメンテナンスサイクルの中ではデータベース化が必要です。せっかく変状を見つけて損傷を特定したとしても、その位置や程度が記録して必要な時に閲覧できなければ全く用をなしません。道路管理者が定める入力書式に応じた記録を作成する必要があります。
このように道路橋の点検をおこなう者は、点検に特化した技能、知識を有する必要があります。